着付ゆうゆう

着物、着付けのこと、そして「千葉駅前教室」を中心に私事も。 気が付いたこと、思ったことなどなど。 なお「千葉駅前教室」のホームページもよろしければご覧ください。 http://www7b.biglobe.ne.jp/kimono-chiba//

「わらべ」の帯

    

もう40年くらい前になると思いますが、今は亡き伯父に「わらべ」の柄で帯を染めてほしいとお願いして、初めて染めてもらった帯です。

その頃、私は着付けを習い始めた頃で、ますます着物に興味が出てきて、自分の思う好きな、そしてみんなが締めていない帯が締めたくなったのです。それで当時伯父の人気型絵の柄がかわいさがあって、帯にしたらステキになるのではと思い、伯父に話したのです。伯父は初め自分の染めではなくて、小物の型染めでしたので「帯としては良くない」と言われてしまって……。でも、私の話しにだんだん乗ってくれて、「染めてみるか」と言ってくれたのです。それから「わらべシリーズ」から帯にしても大丈夫な柄を選んでくれて、この帯が染め上がったのです。染色で色をさしをして色を染めてくれたのは、奥さんの美也子さんで、伯父はきっと口で指示をするだけだったと思います。

伯父はこの帯を二本染めたのですが、教室でお友達になったSさんが、帯をぜひ欲しいと言ってくださったのです。一緒にしめるということはなかったのですが、伯父の帯を気に入って買ってくださって、もう一本がお友達の手元にあること、すごくうれしく思ったこと、今でもはっきり覚えています。

この「わらべ」の帯は、私の懐かしい大切な思い出がたくさん詰まった帯です。

実は、この帯が年数がたって汚れを感じたことと、角、そして縫い目が切れているところがあったので、思い切って洗って仕立て直しをしました。色が少し落ちて、白い部分に色が入ってしまったのですが、いつもの米津帯屋さんで仕立てていただいてきれいな帯に戻りました。私が締めたら可愛すぎるかな?と思ったのですが、この年ですから「かわいい帯」もいいかなと思って(笑)、締めることにしました。

 

伯父の「わらべシリーズ」は型絵で100種類以上の柄があって、額に入れて飾る染です。かわいい柄と季節がありますので、その時期で入れ替えて楽しむ額絵で人気でした。

染めは着物の型染めと同じで、布に型を糊置きして、糊が乾いてから色をさして、色が乾いたら伏せ糊をし、最後に地色をを塗ります。そして蒸しをし、糊を落とし仕上げます。小さな型絵染めですが、一枚の絵と同じなのです。