着付ゆうゆう

着物、着付けのこと、そして「千葉駅前教室」を中心に私事も。 気が付いたこと、思ったことなどなど。 なお「千葉駅前教室」のホームページもよろしければご覧ください。 http://www7b.biglobe.ne.jp/kimono-chiba//

銘仙の「ねんねこ」

NHKの「美の壺」を見て、母が銘仙の着物を「ねんねこ」にしてくれて、とってあったことを思い出して、出してみました。

「ねんねこ」と言っていましたが、「ねんねこ半纏(ねんねこばんてん)」が一般的な呼び名のようです。今は赤ちゃんをおんぶすることはほとんどないと思いますが、私の若い頃は出かける時、家事をするとき、また泣いて困るときなどに、おんぶをしていました。

この「ねんねこ」は母の若い時に着た銘仙の着物を仕立て直してくれました。娘が赤ちゃんの時ですから、もう45年前になります。真冬ではなくて、寒さがまだ残るころ、薄さがあって軽いのですが暖かく、出掛ける時便利に着ていました。

着物は母の時代、自分で仕立てることが当たり前でしたので、洗い張りをして仕立て直して着て、着られなくなったら他の物に作り替えていたのですね。

 

後ろ姿

着付け練習用のボディにキューピーを赤ちゃんにしておんぶをさせてみました。(キューピーは娘たちが子供のころ母が買ってくれたものです。)

おんぶ紐でおんぶしていました。

 

母の着物だった銘仙地を、見てみました。やはりたて糸に染色されて織られています。

三つの柄が一つの型で染められたように思いましたが、それぞれの柄の型を置いて染めたようにも思えます。

 

母がこの着物を着た頃は戦後間もないころだったと思います。まだまだきれいな着物は手に入りずらい頃で、大事にして、着る時はうれしく着ていた着物だったように思います。着物が大好きで私にも何枚も着物を作ってくれた母です。母が元気な時に、銘仙織のことも詳しく知っていたら、楽しく話が出来ていろいろなことを聞けたことと、残念に思っています。